[鯖缶] Hinemos 6 で Windows のリソースを監視

2018年1月31日

 リソース監視の設定は監視項目をプルダウンから選ぶだけです。

 リソース値は SNMP 経由で取得するため、監視対象ノードで SNMP サービスが起動している必要があります。またファイアウォールの設定も忘れずに行っておきます。(プロセス監視等と同様です。ファイアウォールの設定や SNMP サービス等の設定は「[鯖缶] Hinemos 6 agent for windows のインストール」を参照してください。)

 その他、リソース監視に関する注意事項等は以下。

  1. リソース値と OID の対応について

     監視項目とアクセス先の OID の対応は以下のようです。
     (snmpwalk の結果から推測しただけなので違うかもしれません。)

    1. Hinemos agent をインストールしなくても監視可能な項目
      監視項目 アクセス先の OID
      CPUコア別使用率 .1.3.6.1.2.1.25.3.3.1.2
      ファイルシステム使用率 .1.3.6.1.2.1.25.2.3.1
      パケット数
      エラーパケット数
      ネットワーク情報量
      .1.3.6.1.2.1.2.2.1
    2. 監視するために Hinemos agent のインストールが必要な項目
      監視項目 アクセス先の OID
      CPU使用率
      スワップI/O
      インタラプトレート
      コンテキストスイッチ
      .1.3.6.1.4.1.2021.11
      メモリ使用率 .1.3.6.1.4.1.2021.4
      ディスクI/O回数
      ディスクI/O量
      .1.3.6.1.4.1.2021.13.15
      大容量ファイルシステム使用率 .1.3.6.1.4.1.2021.9.1

     大きく分けて MIB-2 (.1.3.6.1.2.1) を参照する項目と Enterprise.2021 (.1.3.6.1.4.1.2021) を参照する項目とがあります。前者が Windows の SNMP が標準で返す値、後者が Hinemos agent をインストールすることで組み込まれる SNMP 拡張エージェントが返す値です。

     前者は Hinemos agent をインストールしなくても取得できます。
     後者は Hinemos agent のインストールが必要です。しかし Hinemos agent がインストールされていれば Hinemos agent サービスが停止していても取得できます。(SNMP サービスは起動している必要はありますが。)

  2. 似た名称のリソース値について

     監視項目に「CPUコア別使用率」と「CPU使用率」、「ファイルシステム使用率」と「大容量ファイルシステム使用率」と似た名称のものがあります。これらの違いは以下です。

    1. 「CPUコア別使用率」と「CPU使用率」

       「コア別」か「全体」かの違いです。

    2. 「ファイルシステム使用率」と「大容量ファイルシステム使用率」

       「ファイルシステム使用率」は SNMP から ディスク容量 (byte) と使用量 (Byte) を取得し、Hinemos manager が使用率 (%) を計算します。このためボリュームの容量が 2TB (多分。Int32 値なので) を超える場合オーバーフローしてしまうため計算できません。「大容量ファイルシステム使用率」は SNMP エージェント側で使用率 (%) を計算するので 2TB 以上のボリュームでも使用率を得ることができます。
       したがって、ボリューム容量が 2TB 以下で hinemos agent をインストールしない場合以外は「ファイルシステム使用率」を選択するメリットはないため、常に「大容量ファイルシステム使用率」をを選択すればよいと思います。

  3. 拡張エージェントの MIB の内容について

     Enterprise.2021 に snmpwalk でアクセスしてみると以下の出力が得られます。
     つまり以下に列挙されているリソース値が Hinemos の SNMP 拡張エージェントによる出力です。

    # Drive は A: FDD, C: HDD, Q: CD-ROM があると仮定しています。
    # 取得値はすべて 0 にしています。
    # 緑色のマーク箇所および空行は見やすくするために加工しています。
    snmpwalk -c public -v 2c 192.168.0.1 .1.3.6.1.4.1.2021
    
    -- .1.3.6.1.4.1.2021.4
    UCD-SNMP-MIB::memTotalSwap.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::memAvailSwap.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::memTotalReal.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::memAvailReal.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::memTotalFree.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::memBuffer.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::memCached.0 = INTEGER: 0 kB
    
    -- .1.3.6.1.4.1.2021.9.1
    UCD-SNMP-MIB::dskPath.1 = STRING: A:\\
    UCD-SNMP-MIB::dskPath.3 = STRING: C:\\
    UCD-SNMP-MIB::dskPath.18 = STRING: Q:\\
    
    UCD-SNMP-MIB::dskPercent.1 = INTEGER: -1
    UCD-SNMP-MIB::dskPercent.3 = INTEGER: 0
    UCD-SNMP-MIB::dskPercent.18 = INTEGER: 0
    
    -- .1.3.6.1.4.1.2021.11
    UCD-SNMP-MIB::ssSwapIn.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::ssSwapOut.0 = INTEGER: 0 kB
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawUser.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawNice.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawSystem.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawIdle.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawWait.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawKernel.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssCpuRawInterrupt.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssRawInterrupts.0 = Counter32: 0
    UCD-SNMP-MIB::ssRawContexts.0 = Counter32: 0
    
    -- .1.3.6.1.4.1.2021.13.15
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOIndex.1 = INTEGER: 1
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOIndex.3 = INTEGER: 3
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOIndex.17 = INTEGER: 17
    
    UCD-DISKIO-MIB::diskIODevice.1 = STRING: A
    UCD-DISKIO-MIB::diskIODevice.3 = STRING: C
    UCD-DISKIO-MIB::diskIODevice.17 = STRING: Q
    
    UCD-DISKIO-MIB::diskIONRead.1 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIONRead.3 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIONRead.17 = Counter32: 0
    
    UCD-DISKIO-MIB::diskIONWritten.1 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIONWritten.3 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIONWritten.17 = Counter32: 0
    
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOReads.1 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOReads.3 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOReads.17 = Counter32: 0
    
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOWrites.1 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOWrites.3 = Counter32: 0
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOWrites.17 = Counter32: 0
    
    -- EOF?
    UCD-DISKIO-MIB::diskIOWrites.17 = No more variables left in this MIB View (It is past the end of the MIB tree)
    

     しかし Hinemos の拡張エージェントが NET-SNMP の持ち物である Enterprise.2021 を実装してしまうのはどうなのかな?という気は若干します。
     Linux と Windows とで アクセス先 (=OID) を同じにすることで OS を差異をなくし、Manager は監視対象ノードの OS を意識せずアクセスできるようになるというのは理解できるのですが、行儀がわるい実装な気がしますね・・・(汗






カテゴリー: Hinemos, OS, Windows, サーバー管理

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