[工業] ポジドライブと、プラスドライバーと、ネジの合いの確認方法

2015年10月6日

 最近(でもないらしいですが)、プラスねじに見せかけて実は規格が違う「ポジドライブ」というものが出回っているらしいです。主に海外で使われているらしく、輸入家具(イケアとか)のネジがこれとのこと。

 見た目ではほとんどわからないです。が、よく見るとプラスの溝とは別に、45°の部分に切り欠きのようなものを確認することができます。

 見た目プラスのネジなので、普通にプラスドライバーでも差し込めてしまいます。そして回せもするのですが、遊びが大きく、失敗するとネジ穴をナメてしまうので要注意です。というか、普通のプラスドライバーで回してはいけません(汗

 どのくらい遊びがあるかというと、ネジをドライバーに挿して、横方向に力を入れて傾けると、以下の写真くらい傾きます。これはドライバーとネジ穴が合っていない証拠です。

 ポジドライブ用のドライバーを差し込むと、軸と座面はほぼ直角になり、ここから力を入れてもこれ以上傾きません。

 ・・・

 ところで、プラスネジはよくネジをナメます。理由はほぼすべてで「合っていないドライバーで回した」です。

 よくありがちなのは、+2 のネジを +1 で回した、というケースです。
 小さいネジをみると、つい小さいドライバーで回しがちで、実際小さいドライバーでも回ったりするのですが、そういうことをしていると次第にネジ穴がナメっていきます。

 たとえば、以下のネジとドライバーは合っている例ですが (ともに +2)、ネジに対してドライバーが大きすぎるように見えたりします。

 ですが、プラスドライバーというのは使っているのは先端の数ミリの部分だけで、残りはフェイクです(汗
 この点が、ネジに対して小さいドライバーを選択する、原因となっている気がします。

 たとえば以下の2つのドライバーは、見た目は上側のドライバーが小さいネジ用に見えますが、同じネジ穴 (+2) 用のドライバーです。
 要するに、マイナスドライバーと違い、プラスドライバーはドライバーの軸の太さとネジ穴は関係がないので、注意する必要があります。

 ・・・

 ところで、普通のプラスドライバーは海外では「フィリップス」という規格らしいのですが、このフィリップス、国内モノと海外モノとで若干形状が異なります(汗

 以下の写真のように、海外製のものはネジ穴が深い(ドライバーの先端が鋭い)です。国内用はネジ穴が浅いです。

 このため、同じ +2 規格のドライバーでも海外製のドライバーで国内のネジを回そうとすると、先端の鋭い部分がネジ穴の底に先に当たってしまい、本来当たらなくてはならない部分に隙間ができてしまうため、ネシ穴をナメてしまいます。
 今はどうか知りませんが、ホームセンターで安売りのドライバーとかはこの手のものが混入しているかもしれないので注意が必要です。

 ・・・

 いずれにしても、ネジを回す前には、ドライバーが合っているかどうかをちゃんと確認するようにしましょう。
 確認の仕方は、上記のどのケースでも同じで以下です。

  1. ドライバーをネジに挿します。
  2. 挿した状態のまま、ドライバーを左右上下に軽い力で傾けます。
  3. ドライバーとネジが合っている場合、ほとんど傾きません。座面とドライバーは垂直の状況を保ちます。
  4. ドライバーとネジが合っていない場合は傾きます。この場合は違うドライバーで傾かないものを探します。

 個人的な経験では、ナメるネジは +2 のプラスネジが大多数です。なので、ベッセルあたりの信用できる国内品の +2 ドライバーを用意しておくと、ナメる確率が少なくなる気がします。






カテゴリー: 与太話, 工学

Follow comments via the RSS Feed | Leave a comment | Trackback URL

コメントを投稿する

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


«   »
 
Powered by Wordpress and MySQL. Theme by Shlomi Noach, openark.org